今年も英国モータースポーツ界の新年行事ともいえるオートスポーツ・インターナショナル・レーシングカーショーが、バーミンガムのNECホールで開催されました。我らがクラシック・チーム・ロータスは今年も参加。早速その模様をお届けしましょう。
今年のオートスポーツ・インターナショナルでのCTLブースの目玉は、長らくレストアが行われていたタイプ94T/2が晴れてお披露目されたこと。ご覧のようにアッパーカウルを持ち上げた状態でディスプレイされ、見事にオーバーホールされたルノーEF1 V6ターボユニットも間近で見る事ができるようになっていました。この94T/2のシェイクダウンは、このあと予定されているそうです。
この94T/2は、デビュー戦となった1983年のイギリスGPでナイジェル・マンセルが4位入賞を果たしたマシンそのもの。現在は同年にブランズハッチで行われたヨーロッパGPで、マンセル&チームのシーズン最上位となる3位入賞を果たしたときの仕様にレストアされています。この4段フラップのリアウイングが特徴的。
会場には、この他に昨年のモナコ・ヒストリックやグッドウッド・リバイバルで見事な優勝を遂げたタイプ25R4や、1974年にジャッキー・イクスが使用した72E/5を展示。
さらには、先日のCTL Meeting in FUJI 2012にも参加したCTLメンバーのひとり、ニック・フェネル所有の23Bもディスプレイ。この23Bはシャシーナンバー23-S-111で、1964年10月にワークスから放出されたのち、BRMの1リッターF2ユニットを搭載して、ロビン・ウィドウズのドライブで1965年シーズンに活躍した個体なのだそうです。
また今回は、アマルガム社から1/8スケールのロータス38が発売されることを記念してその発表会をCTLブースで開催。クライブ・チャップマンとともに、タイプ38を設計したレン・テリー(右)が登場しました。
モデル化されたのは、1965年のインディ500マイルレースで、ジム・クラークが優勝を果たした38/1。その精巧な出来映えに、レン・テリーもこの表情。ちなみに38/1は数年前にヘンリー・フォード・ミュージアム所蔵の個体がCTLでレストアされています。
また、今回のショーでは昨年をもってヒストリックカーレースからの引退を発表したCTLのパトロン(そしてロータス・コレクターとしても有名)のひとり、マルコム・リケッツのセレモニーも開催。マルコムの代名詞ともいうべき、exジム・クラークのタイプ32Bを駆るイラストが、クライブからプレゼントされました。しかしながら、スポーツカーからF1まであらゆるマシンを乗りこなすマルコムへのオファーは後を絶たず、「もしかしたらコドライバーとしての復帰もあるかも……」と、少々心が揺れ動いている様子。
残念ながら昨年をもってFIA HISTORIC FORMULA ONEシリーズが休止となってしまったため、今年のCTLワークスが参戦する機会が少なくなってしまっておりますが、これからも現地の話題は色々お送りしていく予定です。
Photo&Report:Kozo Fujiwara