Photo:Photo & Report:Kozo Fujiwara
今年も1月14日から17日にかけてバーミンガムのNECホールで、英国モータースポーツ界の新年行事ともいえるオートスポーツ・インターナショナル・レーシングカーショーが開催されました。
我らがクラシック・チーム・ロータス・ブースの目玉は、1971年のF1イタリアGPでエマーソン・フィッティパルディが8位完走を果たした、4WDのガスタービンF1マシン、ロータス56B(56B/1)のレストアが完了し、お披露目されたことでしょう。
これは1968年のインディ500マイル・レースに向け、STPのアンディ・グラナテリの依頼で製作されたガスタービンカー、56をベースにF1スペックに改造されたもの。
56Bは、1971年3月の非選手権、ブランズハッチ・デイリーメール・レースを皮切りに積極的にレースへ出場するものの、重いシャシーとスロットルレスポンスの悪いガスタービン・エンジンは、低速~中速サーキットでは使い物にならないことが判明。F1GPのレギュラー・レースでも、オランダGP、イギリスGP、イタリアGPに出走しますが、イタリアGPの8位以外目立った成績を残せずに終わっています。
そんな56Bの残した最も良い成績は、超高速コースであるドイツ・ホッケンハイム・サーキットで行われたPreis de Nationen Formula 5000で、エマーソン・フィッティパルディが2位入賞を果たしたことでした。しかしそれ以来、56Bがサーキットに姿を現すことはありませんでした。
この56Bに搭載されるのは、ヘリコプター用をベースにしたプラット&ホイットニー製のPT6 STN6/76ガスタービン・エンジン。500HP以上のパワーを発揮したと言われています。コクピットのメーター類も飛行機の計器盤のようです。
クライブ以下、本国CTLのスタッフ勢揃いでそのお披露目を祝いました。
今年のグッドウッドFoSなど、様々なイベントでその走る姿を見ることができるかもしれません。
一方、ここ数年レストアが続けられているロータス初のF1マシン、タイプ12もレストア途上ながら展示。こちらは完成までもう少し時間がかかりそうです。
また会場では、CTLのエースであり、ロータス25のオーナーでもあるニック・フェネルに、最近彼が入手しレストアを行っているロータス38のアマルガム製1/8モデルカーが贈られました。ロータス史に残る傑作インディカーが、また1台蘇る日も近いと思います。